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さくら染め

 私と「さくら染め」との出会いは、確か、国語の教科書だったと思います。
確か、その教科書の中に、
『「この色は何から作られているのですか」「桜です」「桜の花びらからですか」「いえ、桜の花びらではなく、枝からです。桜は、花を咲かせる直前まで、幹の中に、ピンク色を溜め込んでいて、花が咲くときに、幹にためておいた色を花びらにうつすのです」』
というような内容があったとおもいます。(記憶だけで書いているので、内容はかなり曖昧です)
いままで、桜のピンク色は、花びらそのものの色だと思っていたので、国語の教科書ながら、この事実を知ったときに、とても感動して、つぼみを咲かせる前の桜の木を観察していた記憶があります。
この内容はその授業だけで、終わってしまったので、私の中では、遠い記憶となってしまっていました。


 そして、染物をされているすっぴん子さんから、今年も「さくら染め」をしますので、いかがですか?と声をかけていただき、私は今回、初めて「さくら染め」の体験をしました。

 私が、すっぴん館ついた時には、すでに、さくらの枝を切ったり、分けたりする作業は終わっていて、煮るところからでした。
まずは、すっぴん子さんが、昔にさくら染めに挑戦するにあたっての、染液抽出の実験をまとめた本を見せていただきました。

そして、枝を煮る作業です。
今回使うさくらは、東柏尾の坂田さんの山桜と大河内のMさんの染井吉野だそうです。
さくらの木は外皮・中皮・芯に分けられて、煮るそうです。
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これはさくらの中皮です。最初はこんな色ですが、煮込むとこんな色になります。
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煮ている間に、まったりとお茶・・・・。
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と、笛の練習。
今日はすっぴん子さんと私・ともみいーによる笛のユニット「クラ笛」です。私は、久しぶりのリコーダーだったので、運指を忘れてしまってあたふた・・・
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(私は、先週は奥銀谷で、PSWさんとたまたま鍵盤ユニットになってしまったmkしました。でも、鍵盤は見た通りの位置を指で押さえるだけなので忘れません)



遊んでいる間に、さくらの色はどんどん抽出されています。色がしっかり出てきたら、ざるで濾します。
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そして、また水と、アクをいれて煮て、繰り返して木の色を抽出させました。
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(ちなみに、アクはこちらの薪ストーブの灰からだそうです。薪を炊いて暖をとりつつ、お湯を沸かして、その灰は染物のアクに使って・・・・。モノが循環していますね。)

今日で、これだけの染液を作りました。
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そして、だしがらとなったさくらの皮はお庭へ・・・・
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(そのうち土に還るでしょう)

煮ている時は、ミツマタと同じような匂いがしました。


いよいよストールを染めてみました。
染液は、置いておく時間によっても、違うらしいので、「今日の色」をとりあえず、半分染めてみました。
最初に、染めたくないほうだけをビニールにかけて、口を輪ゴムでしばりました。
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そして、染めるほうだけを水(本当はお湯らしい)につけて色が入りやすくしました。
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染液につけて、しばらく煮ます。
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染液から引き上げると・・・「さくら色」に染まっています!!
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そのままだどべたべたなので、軽くしぼって、空気に触れさせます。そうすることでよりピンク色になるそうです。水でゆすいで、余分な染液は抜きます。
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水分を搾って、乾かしたら完成。
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染めているところと染めていないところで、きれいなグラデーションになっています。このあと、二度目の染める作業をするか、このままなのかは、気分によって決めたいと思います。

すっぴん子さんからは「染物」って、装飾という意味もあるけど、親が子どもの健康を祈ったり、虫がつきにくいとかそういう広い意味で、魔よけ・おまじないという意味もあるんよ~と教えていただきました。
なるほどー。
でも、よく考えれば、もともと、人がおこなうことは元々は、魔よけとか神さまに捧げる、というところから始まっているかもしれませんね。


さくらが咲く前の今しかできない、染物ワークショップ。
体験できて、とても嬉しかったです。
こうやって、「四季に寄り添って、四季を感じる作業をできる」ことはとても嬉しいことです。
自分が生きている環境に四季があって、それぞれの楽しみをできるということはとても恵まれた環境ですね。
それこそ、「自然に無理なく、寄り添って暮らすNature Style」だとおもいます。

染液は3日置いておくと、また色が変わってくるので、日曜日にも体験に行こうと思っています。
それにあわせて、わたしの課題である○○作りとのコラボレーションも考えています。
できるかな・・・??


ちなみに、左のもこもこした糸は砥峰高原のススキで染めたそうです。光の加減でベージュっぽいですが、本当は薄萌黄色です。
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by deity_river | 2011-03-10 22:22 | しぜん

地元の暮らしの様子や日々思ったことを更新中。なくしたくないものがたくさんあるから。

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