2010年 11月 14日
久しぶりの千ヶ峰
今日の出発間際まで、『紅葉がきれいな新田の不動の滝を2つ見ることができて、お不動さんが誰がいつ寄進したのか確かめて、銀山の試し堀跡を見に行く』か、『市原峠まで車で行くけど、作畑・新田地区を見下ろして、この前行った三国岳も見ることができる千ヶ峰』かで、迷い続けました。
そして、迷いに迷った挙句(こんなしょうもないことでめっちゃ迷いまくって、寝不足ですんません・・・)、「千ヶ峰」に行く決心をしました。
不動の滝も千ヶ峰水谷コースも、2、3年ほど前にいったきりです。(けど、千ヶ峰石風呂コースは今年の5月に行きました)
どっちも、記憶が曖昧になりつつあって、どっちも久しぶりに行きたいなぁと気になっていたスポットだったのです。
なぜ、千ヶ峰を選んだのかはわかりません。早くも、記憶が曖昧です。
いろんな人に「どっちにするんっ!」と半分しかられつつ、悩みまくって「千ヶ峰に行きます」と言葉にしたのだけは覚えています。
まずは、新田の水谷沿いの林道を車で走って、市原峠を目指します。
いつもなら、何台かはこの峠に車が駐車してあるのに、今日は珍しく一台もありません。
そして、千ヶ峰の東尾根を伝って、山頂を目指しました。
最初は、広葉樹の林。松や広葉樹のいい香りがしました。
そして、途中から右手の作畑側は暗い杉林が、右手には多可町の町並みや橙や黄に色付いている山々が見見ながら進みました。その道辺りは、凹んでいました。
私は何も考えずに、そのくぼ地のへっこんだ所を歩いていたのですが、一緒にあるいていた新田のやつひろさんから「ここは作畑と多可町との境界尾根で、カヤを焼く時に多可側に火が移らんように、掘った穴やで。防火帯やで。」と教えていただきました。
そういえば、作畑の吹上と生野町との境界尾根を歩いていた時にも、U字に掘ってある防火帯があったのをおもいだしました。
何も考えずに、紅葉した風景だけを楽しみながら歩いていた私は、なるほど!と気がつきました。
そして、右手に千ヶ峰の山頂がみえました。
東の方を見ると、ピークに電波塔があるのが見えました。
山頂はずっと見えていますが、だらだらとちょっとしたアップダウンがある尾根は続きます。
そういえば、前に地図を眺めていたら、千ヶ峰の西側斜面のほとんどは作畑地区であることに、ビックリした記憶があります。
県道の新田地区との境界よりも作畑地区の土地が新田地区側に進出しているようにも見えるので、私はビックリした記憶があります。たしか、昔は千ヶ峰の西側斜面は新田地区の土地もたくさんあったそうですが、飢饉(?)があったときに、作畑地区に売却されたということを聞いたことがあります。やから、やけに違和感のある境界線なんやなぁと驚いて、納得したことが記憶に残っていました。
そして、祖父からも、千ヶ峰の西側斜面は質のよいカヤが取れて、地区総出で、山焼きを行なったり、カヤ刈りを行なっていたと聞いたことがあります。作畑の下村は正覚寺のある「長谷」が、「下村のカヤ刈り場で、牛の放牧場」で、吹上は「白口峠北斜面」が「吹上のカヤ刈り場で、牛の放牧場」だったとも、聞いたことがあります。
昔は、どこの家も牛を飼っていたし、茅葺屋根のおうちでした。
千ヶ峰の西斜面は作畑地区のものなので、なら、いったい、新田のカヤ刈り場と牛の放牧場はどこだったのか気になりました。
やつひろさんのお話では、新田の不動の滝の上の雄滝のさらに上のところが「新田地区のカヤ刈り場だった」そうです。
カヤ刈りの日というのは祖父から聞いたお話と一緒で、「暗い中堤燈に灯をともして、4時ごろからいっていた」そうです。
そして、新田の松樹寺の北にある林道をあがったところの山は「焼畑」だったそうで、ここで、大根を育てていたそうです。何故、大根かは分かりませんでしたが、おそらく、漬もんなどの保存食にするためだったとおもわれます。
そして、新田ふるさと村の遊具があるあたりが牛の放牧場で、ふるさと村の場所は新田地区の芋畑で、畑を割り振って、ここはだれそれ場所といった感じで作っていたそうです。
え~!知りませんでした!そうなんですか!と私はびっくりしながら聞いている間に、いつの間にやら山頂へ。
お久しぶりです。千ヶ峰山頂。
私たちがつくと、山頂の先客はお一人さまでした。
いつも、にぎやかな山頂が珍しく今日は、閑散としています。
みんなで、山頂からの風景を楽しもうとしましたが、ガスまみれなのと、季節外れの黄砂のおかげで、全然みれませんでした。先日行った黒川ダムも三国岳もまったくみえません。
そして、最近気になっている「またに山」も探しましたが、見えません・・・。
やつひろさんに「『またに山』に行っちゃったことあってです?」と問いましたが、「そんな山知らんわ~。」とのこと。作畑のひろしさんに聞いても不明でした。
「深谷山(またにやま)です」と言いましたが、どうもお二人は「三谷」と勘違いされて、それ以上は聞き出せませんでした。けど、新田奥のめはたに抜ける峠のことはご存知でした。
南には、千ヶ峰~笠形の間にある山々が見えるはずですが、かろうじで、南山(飯森山)がわかるのみ。
けど、作畑の吹上ははっきり見えました。
うちらは、このあたりのふもとからきたんやね~としみじみみていました。そして、吹上から少し目線を北に移すと、紅葉のきれいな谷が見えました。不動の滝方面をみていたら、千ヶ峰にいることにちょっと後悔しました。
けど、今日千ヶ峰に行ったからこそ、新田の焼山の場所などを知ることができたので、私はそれで満足です!!!
山からの風景を眺めている間に、いろんなところからハイカーさんたちが次々と山頂に到着され、いつの間にやらにぎやかくなっていました。さすが、人気のある山です。
帰りには、三国岳にあった林道につなごうとしている(?)市原峠からの林道の工事を見ながら、くだって行きました。
下っている途中、市原峠から歩いてこられたお母さんとすれ違いました。
お母さんいわく、「昔の市原峠は趣のあるええ道やったわ~。林道ができてから、あかん!」とすごい力説されました。
そして、市原峠に下りてきてからは、「またに山」への道を探しましたが、峠付近は林道工事が進んでいるので、私には道は見つけれませんでした・・・。けど、無理やりに林道工事の所から尾根にのってしまえば、いけそうな感じに見えますが・・・。また近いうちに、またに山に行ってみたいなぁと思います。(だれか連れて行ってください!お願いします!)
帰りに、林道を車で通るときに、昔の市原峠の姿を見たくなって窓からじーっと眺めていましたが、水谷コースの方は、昔の道の上に林道を作られたので、当時の面影を見つけることはできませんでした・・・。
ただ、杉の木の間のミツマタたちには早くもつぼみがついていて、「もうちょっとしたら、ミツマタ採集の時期かな・・・」なんて、考えていました。
今日も、いろんな発見があって、おもしろい山歩きでした。
今度は、ぜひ不動の滝にいって、ついでに、新田地区のかつてのカヤ刈り場を見たいとおもいます。
そして、おつかれさまでした。今日も楽しい一日をありがとうございました。
by deity_river
| 2010-11-14 22:10
| ふうけい